日本国際ビジネス機械株式会社(仮称)を退職しました

こんにちは。タイトルの通り、日本国際ビジネス機械株式会社(仮称)を1年10か月で退職しましたので、退職エントリーなるものを書いてみようと思います。

なお、本エントリー執筆に際し、ガシ (id:lksdsw)さんのエントリーを参考にさせていただきましたので、最初に御礼申し上げます。 正直に言うと、私が言いたいことは大体ガシさんが書かれていることなので、ガシさんのエントリーを読んだ方がいいと思います。(ぉぃ

はじめに

日本国際ビジネス機械と聞いてどこの会社のことを指しているかわからない方は、話の流れがわかりにくいと思うので、 ブラウザバックをお勧めします。

さて、この長ったらしい仮称をこれ以上連呼したくないので、以降日本国際ビジネス機械株式会社をI社と呼称します。

誰?

twitterネームは重龍(@zyuuryuu)です。福井で生まれ大学院まで福井にいた地方育ちで、研究でゲーム理論をかじりつつ、 私生活ではCTFをかじろうとして跳ね返されつつこれまで過ごしてきました。 カタログスペックは以下の通りです。

最近は夜勤などで生活リズムが破壊され、仕事のない日は寝てるかPCの画面を見ているだけだったので、自己学習は全然できていません…。 最近までは有志のブログを読んだり話題になったニュースを追っかけるので精一杯でした…。

会社でやってたこと

24時間365日の稼働を謳っているSecurity Operation CenterでOperatorをしていました。 職務内容を具体的にいうと、セキュリティ機器(e.g. IPS, SIEM)のアラート分析や、お客様からのお問い合わせ対応などです。 勤務体系としては、主に2交代制12時間勤務(夜勤有り)でした。

会社のよかったところ

まず初めにI社に入ってよかったところを書いてみました。

  • ベースの給料がそこそこ高い

    初任給が29万円ほどあったので、日本で一般的な就活をした結果としてはそこそこ良い給料を貰っていました。 実際は家賃補助や退職金などの福利厚生がまったくないので見た目よりは微妙なわけですが、転職の際は概ねベースの給料が大きく影響するので、転職前提で考えるならこの点も悪い点ではありませんでした。

  • 会社の知名度が高い

    そこそこ大きな企業だったので、知名度もあり、社会的信頼を得やすいという点で便利でした。

  • セキュリティエンジニアとしてキャリアをスタートできた

    正直いうと、就活時私をセキュリティエンジニアとして採用してもいいよと言ってくださった企業さんは少なかったので、I社に拾って貰ったおかげでキャリアをスタート出来ました。 このご恩は今後も忘れないと思います。

  • 知名度の高い部署で経験・実績を積めたこと

    I社のSOCは業界でもそこそこ老舗であり、対外的な評価もそこそこよいらしいです。また、そんな部署で対外的なレポート書いたり外部研修行ったりして実績を積めたことは、 今後のキャリアにいい影響を与えてくれるのかなと思います。

  • 社の優秀な人と知り合えた

    I社はそこそこ大きいので、優秀な人材はやっぱりちゃんといます。ただ、I社の人材は全体的に外に出ていかない傾向があるようで(個人の感想です)、なかなか社外で知り合う機会はありませんでした。 入社後にそういった人たちと知り合うことができたので、知り合い難い人たちと交流できたという点でよかったと思います。

  • IEEEACMの論文、そしてオライリーの本が無料で読めた

    社員が使えるIEEEACMの論文、そしてオライリー本用のサービスがあり、無料で大体のものが読めたのはとてもよかったです。たぶん、私が知らないだけで同様なサービスがまだまだあるんだと思います。まぁ、読む時間はあまり取れませんでしたが…。

退職する理由

大きく分けて配属部署に起因する理由と会社そのものに起因する理由があります。 それぞれに理由を書き出してみました。

!!Attention!!

以降は闇要素が強いので、興味があまりない方はここで読了されることをお勧めします。

配属部署に起因する理由

  • 人が辞め続けており、個人の負担が増大していた
  • 人の増員予定がなく、業務自動化もまったく真剣に取り組んでおらず、将来の展望が何も見えなかった
  • サービスインフラが貧弱で、作業環境からデバイスのWeb Consoleを表示するのに何分もかかることがざらだった
  • インフラの整備や検証作業などが不十分なままのサービスインが横行し、その度に問題が発生してシフトメンバーのワークが増加していった
  • 情報を共有する仕組みや同僚の姿勢がかけており、業務の属人化が横行していた
  • 業務の9割がただの反復作業だった(e.g. まったく同じクエリーのSQL Injection攻撃をレスポンスコードなどを見て黙々と処理し続ける)
  • 身体的に不安要素がある(夜勤に対応できない)と伝えているのにシフト勤務を命じられ、そのことに対し謝罪の1つもなかった
    • それどころかアラートの分析業務ができるメンバーが自分しかいないシフトチームにアサインされた(≒休憩が取れない)
  • 業務内容や技術レベルに差がないにも関わらず、入社タイミングなどの要素によって個人間で大幅な給与の差が発生していた
    • そして給与をあげる(≒キャリアアップする)明確な方法がメンバーに提示されていなかった
  • 予定されていたキャリアプランが急に白紙に戻され、再構築の目途がいつまでもたたなかった

これらに関して私が言いたいことはたった一つです。

私は、あなたたちの尻ぬぐいをするための使い捨ての道具じゃない。

会社そのものに起因する理由

  • 給与アップやキャリアアップの条件や方法が不明瞭で、それに対する支援もほとんどない
  • 平均的な技術力が低く、価値観が合わない(一部の超凄腕とコンサルもどきと奴隷がいるだけのように見えた)
  • 社の戦略(某の購入やCloud, AIへの全力投資など)で今後生き残るビジョンが見えない
    • 社が生き残ったとしても、そこに自分の居場所はないと思った
  • 全体的に製品やサービスに問題が多すぎ
  • 問題だらけの商品や、お客様にとって不要なものを素知らぬ顔で売って喜ぶ同僚たちの精神性が理解できなかった
  • 技術者として経験を積むキャリアパスの選択肢がなかった

特に私がI社に対して心が凍ったエピソードとして、こんなものがあります。

とある会社(以降A社)に営業がとある製品を売りに行ったところ、担当者に「その製品は弊社には必要ない」として断られました。
その担当者さんは非常に技術力が高く、お客様システムをよく運用しているようでした。
しかし営業はあきらめきれず、しつこくA社に営業に向かいます。
するとある日、A社の担当者さんが別の人に代わりました。
そしてその人は「I社さんから提案いただいたものは積極的に採用したい」とおっしゃいました。
その後、A社さんはその製品を購入し、営業は喜び、事業部に自分の成果を報告するのでした。

こんなエピソードが事業部全体メールで回ってきてぞっとしたのを今でも覚えています。 これは、営業が、明示的に、お客様に不要なものを売りつけたエピソードでした。 こんな営業がまかり通り、そしてそれを成果として喧伝することが美徳とされる組織に自分は入ってしまったのかと途方に暮れたことを覚えています。

勿論私も、営利企業に所属している身ですから、会社は利益をあげなければならないというのは重々理解しています。 しかし、我々が扱っているのは情報セキュリティです。我々には、いただいたお金に見合う防御を、安全を、信頼を提供する義務があります。 それにも関わらず、お客様のセキュリティレベル向上に寄与しない可能性の高い製品を売り、 それを喜ぶとは何事だと私は思いました。 そして、そんなビジネスに自分は関わってしまっているんだと考える度、自分が情けなく、泣き出しそうになりました。

以上が、私が退職を決意した理由です。

次の職に望んだこと

転職を考えたとき、自分が重要視した項目は以下の通りです。

  • お客様(自分たち)のセキュリティレベル向上に寄与できる
  • 夜勤がない
  • 同僚の技術力が高い
  • 外部研修・イベント参加に対する理解がある
  • プログラミングやマルウェアの解析などレベルの高い知能労働の割合が多い
  • これまでの知識・経験を活かしつつ、さらにそれらを伸ばしたい
  • 年収が、シフトによる夜間手当などを考慮した現職の年収よりも下がらない

最優先したのは、セキュリティエンジニアとしての誇りをもって働けるか否かという点です。元々セキュリティエンジニアを志したのも、 この情報化社会が一般ユーザーにとって安心して暮らしていける場所になるための手助けになりたいと思ったからです。 そのため、セキュリティエンジニアとしての義務を果たせるかどうかは一番重く見ました。

その他の理由は、自分と価値観の合う職場であるかという点です。 自分はルーチンワークをやり続けるのは苦痛ですし、同僚や上位職の努力不足によるルーチンワークを押し付けられるのは耐えられません。 また、プログラミングや最新技術の動向などの話題で同僚や社外の有志の方々と議論したいです。

あと、夜勤手当などで給料があがってしまっているので、あんまり下がってしまうと住民税などで苦しむことになることから、 年収をある程度維持する必要もありました。(いや、貯金はしていますけどね?)

転職先をどう見つけたか

偶然ではあったのですが、とあるカンファレンスのスタッフをやっている時に、 面白そうなサービスを展開しているとある会社のマネージャーさんと知り合ったのが切っ掛けです。

その後、マネージャーさんと色々話をしていく中で、この部署なら自分の希望がほぼ叶えられると思い、 採用してもらえないかとお願いしました。 そしてマネージャーさんの方も人を採用したかったとのことで、この会社を受けることになりました。 そして今に至ります。(面接とかは結構大変でしたけどね)

その他にも、この期間にいくつかの会社さんからお話をいただきました。 結局はこういう選択になってしまい申し訳ないですが、ご容赦いただけると嬉しいです。

これからやること

とりあえず最優先は以下の3つです。

  • 英会話能力の向上
  • 部署の業務理解
  • 健康状態の回復

何の因果か、はたまた必然か、外資系を渡り歩く人生となったわが身ですが、転職先は英語能力が非常に求められるとのことなので、 この能力の向上は私にとって急務です。一応I社でも英語でチャットなどはしていましたが、会話は経験値が少ないので頑張っていかないとなと思います。

次に部署の業務理解です。一応経験のある業務とはいえ、仕組みや対象がかなり変わるのでまずは全力でキャッチアップしていきたいと思います。

最後に健康状態の回復です。重篤なものは一切ないものの、生活習慣の改善が必要な状態にはなってしまいました。 そもそも夜勤による乱れ、夜勤を起因とする睡眠障害が諸悪の根源なので、時が解決してくれる要素も多いとは思っていますが、 運動習慣の復活などで意識的に健康状態の回復に取り組んでいこうと思います。

まとめ

だらだらと書き連ねてしまいましたが、ここまでお読みいただきありがとうございます。 若輩者の意見となりますが、この1年10か月で感じたことを最後にまとめようと思います。

  • 自分が健康であることを最優先に行動する
  • 自分の健康を害する行為をしてくる人からは離れる
  • 自分の選択肢をつぶそうとしてくる人からは離れる
  • 自分が誇りを持って働ける会社・部署・業務を選ぶ
  • 自分がやりたい仕事に必要なスキルをあらかじめ(ある程度は)習得しておく
  • 人と会う場は最低限持って、状況に取り残されないようにする
  • 退職時絶対に有給はすべて使う
  • 部署の上層部絶対許さん

会社はたくさん、仕事もたくさん、自分は1人です。自分を大事にいきましょう。

余談

新卒入社した会社は3年は勤めるべきみたいな話がありますが、実際のところどうなんでしょう? 私なりに、3年未満で辞める時のデメリットを整理したので、最後にこれを紹介して終わろうと思います。 主なものは大体以下の通りかなと思います。

  1. 人事権などを握っている40代以降の年齢の方たちから、打たれ弱いなどの評価を受けやすい
  2. 確定拠出年金などを引き継げない
  3. 前職での経験はあまり評価されず、ほとんど新卒と同様の扱いとなる

正直1番目についてはどうしようもないです。遭遇を避けることは諦めてどう突破するかを考えるのが無難です。

2番目については最大でも精々100万程度でしょうから、年収があがるならそこまで気にすることではないです。

3番目については実績や経験次第だと思います。あんまり対外的な成果ができてないならこうなってしまう可能性は否定できません。 意識的に、自分の名前と成果が公的な場に公開されるような活動をしておくしかないのかなと自分は思います。 でもこれは、辞める時期にかかわらず常に意識すべき話だと思います。

こうして整理すると、あんまり年数は関係ないと私は思うんですが皆さんいかがでしょうか。 大切なのは、辞めるまでの間何をしていたかが明確で、転職先でなら頑張っていける理由を明確に説明できることだと思います。 世の中には「3年以内退職者は使えない」おじさんが一定数いますが、あまり気にせずに頑張っていきましょう。 私も、3年以内に退職したけど頑張ってる人になれるように頑張ります。

おわり

追記

本項では記事公開後の追記・修正事項、および本投稿の補足を記載します。

追記・修正項目一覧

  1. 追記のセクションを追加
  2. 会社でやってたことのアンカーリンクがtypoでうまくリンク出来ていなかったので修正
  3. 退職する理由ー配属部署に起因する理由の”業務が俗人化”を”業務の属人化”に修正
  4. 追記ー補足を追加
  5. 会社のよかったところー”IEEEの論文やオライリーの本”を"IEEEACMの論文、そしてオライリーの本"に修正
  6. 会社のよかったところIEEEACMの論文、そしてオライリーの本が無料で読めたに、”たぶん、私が知らないだけで同様なサービスがまだまだあるんだと思います。”を追記し、前後の文章を微調整

補足

本投稿をツイッターで呟いたところ、数多くの方にご覧いただいたようです。まずは私の稚拙な文章を最後までご一読いただいたことに感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございました!

しかしながら、私の意図していない内容まで言及されている方がいらっしゃいましたので、ここで私の思いを補足させていただきたいと思います。

まず初めに、私は”I社”に対しては特に悪感情を持っていないことを言及しておきます。I社そのものは、社員が研鑽に励むための資産や、活躍の場を多く提供してくれています。

また、あれだけたくさんの従業員を抱える会社が、ずっと利益を上げ続けるというのはとても大変なことです。これを達成しているというだけでも、I社はまだまだ偉大な会社であると言えると思います。

しかしながら、その大きさゆえにすべての部署にガバナンスを効かせるということが困難になっているのも事実です。それによって発生した局所的な事例の1つが私のこの投稿の事例なわけです。

多くの部署はそのマネージャーによってしっかりとマネージされているため、大多数の従業員は伸び伸びと働いている(と思います)。 そのため、これからI社に入社する新社会人の方や、I社とビジネス上の付き合いがある、あるいは検討されている方は、こんな投稿など気にせず、今まで通りの目線でI社と接していただければ幸いです。

勿論、私の”部署の上層部絶対許さん”という気持ちは変わらないですし、I社に自分の居場所はないなと感じていましたが、それ以外には大して何も思っていないということをご承知おきいただけますと恐縮です。