福井大学工学部電気電子情報工学科新入生の皆様へ

私は、2015年に福井大学工学部情報・メディア工学科(現電気電子情報工学科電気通信システム工学コースおよび情報工学コース)を卒業し、この春福井大学大学院工学研究科情報・メディア工学専攻を卒業した元福井大学生である。この6年間で私が見聞きしたことから、今年入学する新入生の皆様がより良い大学生活を過ごす上で有益な情報を残しておきたいと思い、本文章を執筆した。正直自分でも読みにくいと思うが、時間もないので修正を行う事が出来ない。申し訳ない。また、以下の内容は可能な限り最新の情報になるよう配慮しているが、一部古い情報が含まれる可能性もあるため、なにか気になることがあった学生は必ず大学の事務に自分で確認してほしい。

入学前に注意すること

  • 入居時の確認事項
    • 不動産屋の言う事は信用しないこと
      • 契約書類に書いてあることしか信用してはならない
    • 高井不動産(エルピス)は福井県内の他社と比べ比較的評判がいいが、入居後に管理会社が変わる可能性があるため、たとえ最初はいい会社でも安心してはならない
    • 入居当初からあった汚れ、色あせ、傷、破損、不具合を全て写真に撮り記録に残すこと
    • 問題点を文書にまとめ、管理会社に認知させた上で、自身と管理会社の印鑑を押した書類を自身と管理会社が1通ずつ保管するようにすること
    • 退去時に請求される金額について、現時点で最低限発生する金額と明細を確認すること
      • おそらく、清掃費・事務処理費など合計で3万前後になっているはずであるが、中にはぼったくり業者がいるので気を付けること
  • 授業料免除の申請
    • 高校時、成績優秀だった者で家庭の収入が十分少ない者は学費の免除(大抵は半額免除)を受けることが出来るので、確実に申請すること
    • 高校時成績が悪かったものでも、大学の成績が良ければ1年後期から半額免除を得る事は十分可能であるため、前期でしっかり勉強すること
  • 入学前復習
    • 数学ⅠAⅡB、および英語に関して入学式後のどこかで(おそらく合宿?で)簡単なミニテストが行われる
    • 上記ミニテストの成績が著しく悪い者は、単位にならないステップアップという講義を強制的に受講させられる
    • ステップアップは時間の無駄なので全力で回避すること
  • 入学式までに体調・生活リズムを整えること
    • 入学式前後の事務手続きを欠席してしまうと、一般教養などの一部履修が滞る可能性があり、履修できない場合は今後に影響が出てしまう
    • 入学式までに体調を整え、遅刻のないようにすること
  • 福井という土地に対する対応
    • 福井は雨や曇りが多く、湿度が高い
      • 47都道府県の中で日照時間は最下位
      • 特に、愛知や大阪からきた学生は気候の変化に戸惑うだろう
    • 金銭に余裕があれば、外出用に強度の高い傘や合羽、室内用に除湿器などを購入すると良いだろう
      • ただし、傘は学内で盗まれやすいので、持ち込む際は警戒すること
      • ビニール傘を傘立てにおいたら確実に盗まれる
      • これを読んでいる新入生の皆様が、他人の傘を盗まない善良な学生であることを願う

入学後に注意すること

  • 人間関係
    • 福井大学では、学籍番号順に座る機会が多く、基本的に学籍番号が近いものたちで行動するようになる
      • よって、学籍番号が近い者とは可能な限り交友を持った方がよい
      • 自分から積極的に声をかける事が肝要である
    • 学籍番号が近い者だけではなく、サークルに所属しており、先輩から授業の過去問を入手できる子などとも交友を持っておくと良い
    • 勿論、自分でサークルに所属することも良い経験になるだろう
      • ただし、あまりに忙しいサークルには参加しない方が無難である
      • 私はサークル活動に関して疎いため、これ以上の詳しい言及は控えたい
  • 一般教養の履修
    • ここでは、英語や中国語、体育などの必修科目以外の一般教養について言及する
    • 福井大学の一般教養では、5分野をそれぞれ1つずつ、1つの分野で集中して3つ、自由な分野で2つの計10講義(20単位)を履修する必要があった(正確な情報は最新の学生便覧を参照してほしい)
    • 1~3分野に関しては長期休暇中やGW前後などに集中講義が開講され、3日~1週間で1つの講義(2単位)を履修することが出来る
      • 1~3分野は比較的難易度が低いので、自分の興味の赴くまま授業を履修してもよいだろう(ただし、地雷がないわけではない)
    • 一方,4,5分野は全体的に難しく、集中講義もほとんど開講されないため、履修難易度が高い
      • 興味のある内容がないならば、先輩などの情報を参考に難易度の低い講義を履修した方が良いだろう
      • 私の周りでは、ロボットや環境に関わる講義が(単位の取りやすさや内容の充実度で)高い評価を得ていた
    • 私が実際に実行した履修計画を以下に示すので参考にしてほしい
      • 1年生前期後期で4,5分野の講義を1つずつ、1~3分野の講義を合わせて4つ履修する
      • 1年生春休み、あるいは2年夏休みに1~3分野の取得していない分野を、全て取得済みなら2つ以上履修している分野を集中講義で履修する
        • 1年生の夏休みは多くの学生が運転免許を取得するために使用するため、ここでは除外している
      • 最後に2年前期で残りの必要な単位を取得する
    • 専門科目に集中して取り組むため、一般教養は早期に履修完了した方がよい
      • 一般教養の単位取得が遅い学生は、全体的に専門科目の理解も浅いように見える
      • 無論、2年前期で20単位すべての履修を完了する必要性はどこにもないので、焦る必要はない
  • 専門科目の履修
    • 専門科目については、私の旧情報・メディア工学科卒業後に学科統合が行われた影響で、正確な情報を私は持っていない
    • また、専門科目については、皆様自身の目でしっかりと見定めて履修計画をたてていって欲しいので、ここで先入観を植え付けるような余計な情報を示すことは控えたい
  • 奨学金の申請
    • 例年、日本学生支援機構の貸与型奨学金のことしか知らない学生が多いため、ここでは給付型奨学金について言及する
    • 給付型奨学金とは貸与型と違い返さなくていい奨学金のことであり、福井大学にも何件か募集が届くことがある
      • 募集の通知は、大体2月中旬から3月上旬にかけて大学の学生課に対して行われる
      • 募集の締め切りは場合によるが、3月中旬に締め切られることが多いように私は感じた
    • 福井大学に届く給付型奨学金は、日揮・実吉奨学会、とまと財団、服部国際奨学財団などのものがある
      • 日揮・実吉奨学会は、学部4年生に進級した学生で受給申請したものの中から最もGPAの高いものが選ばれ、30万円を1度支給される
      • 他の奨学金は月額○万円を支給するもので、やはり学内でGPA等による選考が行われた後、先方により面接等が行われる
    • 非常に狭き門ではあるが、非常に多くの金銭を得る事が出来るので、成績優秀者や学外活動で表彰経験などがある学生は挑戦してみるとよいだろう
  • 図書館の利用
    • 大学の図書館には、学習用に洋画(確かスターウォーズなど)が貸し出し用として置かれているので、興味がある方は行ってみるといいだろう
    • また、図書館は福井大学ほぼ唯一の学習スペースでもあるので、他人に迷惑を掛けず、静かに、そして積極的に活用してほしい
  • 学習スペースの確保
    • 上記にもあるように、福井大学には学生が気楽に利用できる学習スペースがほとんどなく、そして今後増える事もおそらくない
    • また、大学の教室を休み時間に許可なく使用することは3年くらい前から禁止されてしまった
    • しかし、正しく許可を取れば(たぶん無料で)教室を使用することは可能である
    • 友人たちで集まって勉強するときなどは、図書館で勉強するより、教室を借りた方がいいかもしれない
    • 手続き方法はよく知らないので興味があれば教務課あたりに聞いてみてほしい
  • 講義関係のトラブル
    • 大学の講義を受けていると、時折信じられない(ありえない)ことが起きる
    • 私が体験したトラブルと、その際の対処を以下に示す
    • 1つ目のトラブルは、大学1年生5月2週目に、A4サイズ手書きレポートを1週間で30枚書けという課題が出されたことである
      • 学内で参考になる資料は3冊のみ、県内図書館すべて含めても10冊に届かないという状況で、途方にくれたことを覚えている
      • この時は、同期で相談し資料を共有したことでなんとか収めた
      • 同時に、学科の教授に現状(枚数の指定に意味がない、手書きで30枚/週は無茶、そもそも資料がなくて書けない等)を訴えた所、それ以降は30枚/週を超える手書きレポートは発生しなくなった
        • これが最善の対処だったとは言い難いが、あそこでこの対処をしていなければ学生時代手書きレポートを書き続ける生活を送っていたかもしれないと思うと、やはりこの対処をしておいてよかったと思う
    • 2つ目のトラブルは、レポートのカンニング疑惑を掛けられたことである
      • この講義では、レポートの提出箱が廊下に設置され、誰でも他人のレポートをカンニングできる状態だった
      • 案の定、愚か者が私のレポートをコピーし提出したため、愚か者と併せて私にも嫌疑がかけられたというのがことの顛末である
      • この時は、愚か者達が自主的に自身のカンニング行為を告白したこと、および私がレポート作成時に使用したデータを全て提出することで事なきを得た
        • 余談だが、この講義では未だにレポートの管理体制を見直しておらず、現在に至るまで、カンニングが横行していることは想像に難くない
    • これらのトラブルに対するために、新入生の皆様には以下のことを心がけてほしい
      • 学内に信頼できる大人(可能であれば、学科内の教授、教務課担当者など履修関係において問題解決能力を持つ者)を見つけること
      • 自分の作成物について、正しく自分が作成したことを証明出来るような証拠(作業データ、計算結果のまとめなど)を確保すること
      • 普段から、疑われるような行為は控え、また、疑われるような行動をする者を友人にしないこと
  • 資格取得のすすめ
    • 情報系を志す学生に限定した話になるが、仮に君がプログラミングやそれに類する開発・運用などに今興味がなく、休暇中に取り組みたいことがないならば、その時間を使って資格を取得することをお勧めする
      • なぜなら、専門科目で学ぶ内容が資格でも問われるため、資格の勉強をすることで予習・復習をすることが出来るからだ
    • 個人的には、大学2年生10月を目途に応用情報技術者試験を取得するといいと思う
    • もし興味が出たら、そのままより高位の資格を取ると良いだろう(
    • もちろん、プログラミングなどが大好きで資格の勉強なんてする時間がないという君は、そのまま自分のやりたいことを突き詰めると良い
    • 資格はあくまで暇つぶし兼予習・復習のためである
  • プログラミング学習について
    • 情報系学生に特に頑張って頂きたいのは、やはりプログラミングである
    • 私はこの2年、合計約130名のTAをする中で、授業外でプログラミングの学習を行わない学生が授業に置いていかれる姿を見てきた
      • 我々はその姿を見るたび、非常に苦しい思いを抱いている
    • もし、これを読んだ福井大学生の中で、プログラミングの授業についていけないと感じる者がいるならば、せめて、授業時間前や後の休み時間で、TAや教員に質問をしてほしいと思う
      • 勿論、授業中に質問して頂ける方が我々は嬉しい(なぜならTAの休み時間は基本タダ働きである)が、新入生の皆様が苦しむよりはマシなので、どんどん早めに質問をしてほしい
  • 大学院進学について
    • もし君が大学4年生に無事進級し、大学院にいく決意を固めたならば、一度福井大学だけではなく他の大学院も検討してみてほしい
      • 福井大学の中で留まることは、君の成長を妨げることにしかならないからだ
      • 勿論、他大学院を考慮した上で、学費などのコストや、研究内容などの面から、福井大学大学院を選択することは大いにありうることである
    • ただし、他大学院を考慮するにあたって、大学4年5月段階でTOEICのスコアを一定以上保有している必要がある場合が多いため、注意が必要である
      • 少なくとも大学3年生の間にTOEICで600点は超えるように努力されることをお勧めする
  • インターンシップについて
    • もし君が大学卒業後に就職をしようと思うのならば、是非自分がやりたいことをやらせてくれる会社のインターンシップにいってみてほしい
      • インターンシップで将来はいりたい会社に行く必要はない
      • むしろ、自分がやってみたい仕事を体験すること(あるいは、すでに能力がある人限定だが、収入獲得)を目的にした方が良いことがあると私は思う
    • 私のお勧めは、2週間から4週間ぐらいの期間のインターンシップに参加することである
      • 逆に、1週間以内のインターンシップは、その大半が、会社説明に終始した非常に退屈な場であるためお勧めしない(勿論、短期間で非常に充実した内容のインターンシップも存在する)
    • 特に、学部3年生が参加可能な福井県合同インターンシップには、参加する意義のあるものはほとんどないように思う
      • 情報系希望の学生がスーパーのレジ打ちに回されたという事例も報告されており、福井県合同インターンシップに関するいい話を私は聞いたことがない
  • 最後に
    • 最後に、大学生を過ごすにあたって、自分は何が好きなのか、どんなことを楽しいと思うのか、何が嫌いなのか、どんなことを苦しいと思うのか、時折自問されることを強く勧める
    • 君がこれを怠らなければ、きっと、学生の間に自分がやりたいこと・出来る事を見つけられるだろうと私は思う
    • 願わくは、あなたが情報技術に強い関心を持ち、素晴らしい能力を福井大学で獲得されますよう
    • あなたの大学生活に、幸多き事を願います